【期待もある中、不安事項も?】盛りだくさんのiOS14新機能をまとめました
2020-9-10
「iOS」は「Apple」が開発している「iPhone」向けに提供されているOSであり、古い機種でも利用できるのが一つの強みとなっています。そして2020年6月にはAppleの開発者向け会議である「WWDC」が開催され、その中で正式に「iOS14」がお披露目されました。
iOS14はユーザーの操作感を従来のiOSよりさらに改善しつつ、プライバシーにも配慮されている利便性の高いOSです。ただしプライバシー機能は広告業界に悪い影響を与えることが懸念されており、今後iOS14がどう評価されるのかも注目されます。
今回はiOS14が気になっている方向けに、iOS14の機能や懸念事項などをご紹介していきます。
目次
iOS14とは
iOS14とは、Appleが2020年秋提供予定の最新OSです。2020年10月ごろに発表されると言われている「iPhone12」に、最初からプリインストールされた状態で搭載されるとうわさされています。
iPhoneにおけるiOS14の対応機種は、
- iPhone 6s
- iPhone SE (第一世代)
- iPhone 7
- iPhone 8
- iPhone X
- iPhone 11
- iPhone SE(第2世代)
となっており生産終了している古い機種までカバーされています。メーカーの対応によってはすぐサポートが切られてしまう可能性のある「Android」より、アップデート面では安心できるものがあるでしょう。
すでに開発者向けβ版やパブリックβ版といったテストバージョンは公開されており、一部の新機能を利用できるようになっています。
利便性向上!iOS14の新機能一覧
iOS14はiOSのよさを活かしつつ、Androidの便利な点を取り入れるような形で進化を遂げています。またその他にも独自の機能が取り入れられ、総合的に使い勝手が向上しています。
ここからはiOS14の新機能をピックアップして、一覧でまとめてご紹介していきます。
- ウィジェットの配置が自由になり、アプリアイコンと同時に表示できる
- ホーム画面最後に「Appライブラリ」が追加、自動でアプリが整理されて使いやすく
- 電話着信やSiriの画面が縮小、画面操作を邪魔しないデザインに
- 「ピクチャ·イン·ピクチャ」機能で動画を視聴しながら他アプリ操作ができるように
- 「App Clip」機能で、アプリの一部だけをすぐインストールして使えるように
- 11か国語に対応した翻訳機能が利用可能
- 「Car Key」機能で、iPhoneを使って車の鍵を開けられるようになる
- アプリがマイクやカメラにアクセスしているとき、ランプが表示される
- アプリがユーザーのデータを収集する際、事前許可を行えるように
- 位置情報に「あいまいな位置情報を送信する」が追加される
ウィジェットの配置が自由になり、アプリアイコンと同時に表示できる
従来のiOSでは、ウィジェットは右にスワイプして表示する必要がありました。しかしそもそも右にスワイプするのを忘れ、ウィジェットを使っていない方もいらっしゃったのはないでしょうか。
iOS14ではよりウィジェットを使ってもらえるように、配置が自由になりました。ウィジェットを右スワイプ画面に集中して表示するのではなく、アプリアイコンと同居させながら自由に配置できるように改善が行われています。
ウィジェットは大・中・小の3サイズが選べ、
- 天気予報
- 時間
- ヘルスチェック
といったウィジェットを自分が見やすい位置へ配置してすぐに確認できるようになります。
ホーム画面最後に「Appライブラリ」が追加、自動でアプリが整理されて使いやすく
iOS14では、ホーム画面の最後に「Appライブラリ」画面が追加されています。今までインストールしたアプリをiPhoneが自動で認識してカテゴリー分け、カテゴリー別にまとめて表示してくれます。
iPhoneを使うときに起こりがちなのが、アプリを入れ過ぎてどこに何があるのか分からない現象です。アプリを探すのに時間を掛けるのは時間も掛かりますし、ストレスになります。フォルダ機能を使えば状況は改善されますが、手動で整理作業をしないといけないため苦労していた方もいると思います。
Appライブラリの場合、iPhoneが自動でアプリをまとめてくれるので整理の手間が掛かりません。いつでも整理されたフォルダへアクセスして、アプリを起動させられます。Androidにも搭載されていない、便利な機能です。
電話着信やSiriの画面が縮小、画面操作を邪魔しないデザインに
今までのiOSは、電話着信があった場合に全画面に通知がポップアップ表示されていました。しかし作業をしている場合、着信するだけで作業を邪魔されると困るといった方もいました。
iOS14では作業中でも邪魔にならないよう、電話着信の画面が縮小されました。画面上部に小さくポップアップ表示されるので、作業をしながら内容を確認できます。
また「Siri」についても、同じように画面がコンパクトになっています。上部にSiriの回答が表示されるように変更されました。
ちなみにSiriの回答精度も向上しており、インターネット上のいろいろな情報を活用して質問を受けられるようになっています。
「ピクチャ·イン·ピクチャ」機能で動画を視聴しながら他アプリ操作ができるように
iOS14には、「ピクチャ·イン·ピクチャ」機能も搭載されています。
この機能では「FaceTime」通話や動画視聴などを行っている際、映像画面を縮小した状態で他のアプリを操作できるようになります。ながら見をしながら他の作業をしたいときに、便利です。
- 教育コンテンツを視聴しながら動画内に出てきた関連用語を調べる
- iPhoneで資料を見ながら会議に参加する
といったことができそうです。
「App Clip」機能で、アプリの一部だけをすぐインストールして使えるように
インストールにある程度時間が掛かるアプリは多いです。このためたとえば外出中にすぐアプリを使いたくても、できない場面があります。
iOS14は、そういった悩みを解消してくれる機能が搭載されています。「App Clip」機能を使えば、アプリの一部分だけをスピーディーにインストールしてその場で使えるようになります。少しだけ試したいアプリがある場合にも、すぐインストールできるので不便がありません。
App Clip機能は
- Appleが用意した専用のコードをスキャン
- NFCタグやQRコードでスキャン
- メッセージやSafariでシェアされたデータをスキャン
といった方法で提供される予定です。
11か国語に対応した翻訳機能が利用可能
スマホは旅行のお供としても最適なツールですが、iOS14搭載のiPhoneを使うとさらに快適な旅行が楽しめるでしょう。
翻訳機能が強化されており、11か国語に対応した精度の高い翻訳が可能になっています。たとえばスマホを横画面にして音声を吹き込むと、その場で対応の言語へ自動変換してくれます。
また翻訳用の言語ファイルを前もってダウンロードしておくと、オフラインでも利用可能です。ネットのない場所でも翻訳機能が使えるので、利用範囲が広がります。
ちなみに、よく使うフレーズを保存していつでも呼び出せる機能も便利です。
「Car Key」機能で、iPhoneを使って車の鍵を開けられるようになる
iOS14では長らく搭載が望まれていた、注目の機能が追加されます。
「Car Key」と呼ばれるこの機能では、車のキーをデジタルデータでiPhone内に保存可能です。そして鍵を取り出さなくてもiPhoneをドアへ近づかれば、自動開錠が可能になっています。対応モデルの車でないと利用できませんが、今後モデルが増えれば利便性はさらに高まるでしょう。
またデジタルキーは、家族や友達など関係者間で共有できます。アクセス権限も設定できるので、安心して共有可能です。
アプリがマイクやカメラにアクセスしているとき、ランプが表示される
iOS14では各アプリがマイクもしくはカメラにアクセスしているとき、ランプが表示されるようになっています。具体的には画面右上部にカメラを使っている場合はグリーン、マイクを使っている場合はオレンジのランプが点灯します。
プライバシーの観点から、アプリが今スマホのどの機能へアクセスしているのかを知ることは重要です。ランプ機能により、マイクやカメラといった個人情報収集にかかわる機能へアクセスしたアプリを簡単に把握できるようになりました。
位置情報に「あいまいな位置情報を送信する」が追加される
今までアプリに送信する位置情報設定では、
- アプリに情報の収集を許可する
- アプリに情報の収集を許可しない
の2種類しか選べませんでした。最初から位置情報を使わないユーザーは2つの設定だけでもよいのかもしれませんが、中には「位置情報を個人情報が特定されないような状態で、安心して利用したい」という方もいらっしゃったでしょう。
iOS14から、位置情報の設定に「あいまいな位置情報をアプリへ送信する」が追加されました。これにより地域レベルでのあいまいな位置情報を送信しながら、天気アプリといった一部の位置情報アプリを利用できるようになります。
ユーザーにとっては個人情報取得を防止しつつ、位置情報を使わないと利用できない一部のアプリを利用できる使い勝手のよい機能となるでしょう。
アプリがユーザーのデータを収集する際、事前許可を行えるように
従来のiOSでは、アプリのユーザートラッキングに対して「オプトアウト」方式を取っていました。最初からユーザー情報を収集できる設定になっている状態で、ユーザーがそれを嫌だと思ったときに後で情報の送信を止めるようにする方式です。
iOS14では、アプリのユーザートラッキングが「オプトイン」方式になりました。アプリは情報を収集する前にユーザー側へその旨を通達した上で、許可を取る必要があります。
オプトイン方式により情報を収集される前に、ユーザーは安心して送信をOFFにすることが可能です。
広告業界では懸念点も、私たちの生活にはどう影響する?
iOS14ではユーザー目線で便利な新機能がたくさん搭載されています。ただしプライバシー機能においては、特に広告業界の反発を買っています。
問題になっているのは、ユーザートラッキングのオプトイン方式です。ユーザーが事前にアプリのトラッキングを防ぐことができるようになることで、情報を収集できないユーザーが増加されると懸念されています。
広告業界の重要な収益源の一つが、「ターゲティング広告」です。ユーザーの情報に基づいて、興味の合いそうな広告を表示する手法を指します。iOS14からは、このターゲティング広告が困難になる可能性があります。
すでに悪影響が出ると発表しているのは、「Facebook」です。Facebookはモバイルアプリ向けの広告プラットフォームを提供していますが、iOS14の環境を想定した実験で広告収益が50%以上ダウンした場合もあったと報告しています。
今後は広告を表示する側(メディア側)も表示させたい側(広告主)も、iPhone内での広告パフォーマンスが大きく下がるかもしれません。
ユーザー側では、
- 自分の興味のある広告が表示されなくなる
- 広告収益がダウンした分しわ寄せがユーザーに来て、アプリサービスが有料になったり無料版の成約が増える
などの問題が出てくる可能性があります。
単に制限すればよいというわけでもないプライバシー問題については、もう少しユーザー側でも深く考えてみる必要がありそうです。
まとめ
今回はiOS14の機能をまとめ、広告業界への影響についてもご紹介してきました。
iOS14ではウィジェットの自由配置やアプリの自動整理、リアルタイム翻訳機能など便利な機能がたくさん追加されています。ただしプライバシー機能については広告業界の反発を買っているので、今後変化があるかもしれません。
ぜひAppleの公式リリースも確認しながら、iOS14の正式提供開始を楽しみに待っておきましょう。
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