以外に盲点になりやすい?スマホ選びで重要なバンドについて詳しく解説します

2020-7-23

皆さんは、スマホで通信をしているとき電波を気に掛けたことはありますか?目に見えないので一見忘れがちな電波ですが、実はSIMロックを解除したスマホや、SIMフリーのスマホを携帯電話会社できちんと使うときに重要になってきます。

携帯電話で使われる電波は「バンド(周波数帯)」という規格で分けられており、バンドについて基本的なことを知っておくとスマホ電波に関するトラブルをユーザー側で減らすことが可能です。

今回はバンドについて基本的なことを知りたい方向けに、バンドとは何か、そしてその種類やスマホを選ぶ際バンドについて注意すべき点などを解説していきます。

バンドとは

バンドは、電波が通る道とよく表現されます。

具体的に言うと、私たちが普段使っている電波は振動しています。電波が1秒間に振動する数は「Hz(ヘルツ)」で表現されますが、携帯電話に使われる電波の場合は「MHz(メガヘルツ)」や「GHz(ギガヘルツ)」で一般的に記載されます。

この周波数の違いをバンドという単位で分割し、どの会社が使うか決定するようになっています。どの会社がどの周波帯数を使うのか決めるのは、電波の管理を行っている総務省です。最近キャリアになったばかりの「楽天モバイル」も、総務省にバンド利用の許可を受けてから業務を開始しています。

ちなみにバンドの違いは、電波の強さやつながりやすさに影響するのもポイントです。

電波は振れ幅が大きいと、大量のデータを運ぶことが可能です。しかしその分直進性(まっすぐに進もうとする性質)が高くなり、ビルやトンネルなど障害物があると無理に直進して通り抜けようとします。その際電波の減衰という現象が発生し、電波が弱くなってしまいます。

一方電波の振れ幅が小さいと、運べるデータは少なくなります。しかしその分回折性(ものを回り込もうとする性質)が高くなるのがメリットです。回折性が高いと障害物がある場合も迂回してくれるので、電波がつながりやすくなります。

どちらの電波にも、メリット・デメリットがあります。携帯電話会社としては、周波数の高いバンドと低いバンド、両方を持っていたほうがさまざまな地域に対応できるので便利です。

バンドの種類

ここでは、大手キャリア4社(ドコモ、au、ソフトバンク、楽天モバイル)が現在使っているバンドを解説しながら、バンドの種類についても触れていこうと思います。

記載するバンドは、今一般的に日本で使われている4Gです。

ドコモが使っているバンド

日本で一番最初に携帯電話事業を開始した「ドコモ」が使っている4Gバンドは、次のとおりです。

  • Band 1(2.1GHz帯):ドコモのメインとなるバンド。高速通信が可能
  • Band 3(1.7GHz帯帯):東名阪地域で使われるのが前提のバンド。都市部以外のユーザーは関係ない
  • Band 19(800MHz帯):プラチナバンド(つながりやすい周波数帯)に該当。地方ユーザーに関係あり
  • Band 21(1.5GHz帯 ):メインのバンドを補助する、サブのバンド。日本独自の規格
  • Band 28(700MHz帯):プラチナバンドの一つ。まだ対応地域は少ない
  • Band 42(3.5GHz帯):PREMIUM 4G(ドコモが打ち出している超高速の4G)に使われるバンド

さすが国内ナンバーワンのシェアを持つキャリアだけあり、周波対数も幅広く取り揃えています。

  • Band1
  • Band3
  • Band19

この辺りに対応したスマホを用意しておくと安心です。

auが使っているバンド

ドコモの次に携帯電話事業に参入したau(KDDI)の利用しているバンドは、次のとおりです。

  • Band 1(2.1GHz帯):auのメインとなるバンド。ドコモも使っている
  • Band 3(1.7GHz帯帯):2019年に追加されたバンド
  • Band 11(1.5GHz帯):対応エリアが狭く、重要度は低い
  • Band 18(800MHz帯 ):プラチナバンドの一つで、auのメインバンドの一つ
  • Band 26(800MHz帯):プラチナバンドの一つ。Band 18の補完的な役割を果たす
  • Band 28(700MHz帯):プラチナバンドの一つ。対応地域拡大中
  • Band 42(3.5GHz帯):高速通信用のバンド。PREMIUM 4Gと同じくキャリアアグリゲーション(複数の周波数帯で同じデータを転送する技術)を利用

ドコモと同じバンドをそろえながら、プラチナバンドを多めに持っているのが特徴となっています。

  • Band1
  • Band18
  • Band26

あたりがメインバンドになるので、対応のスマホを用意しておきましょう。

ソフトバンクが使っているバンド

auの次に参入し勢力を拡大したソフトバンクの使っている4Gバンドは、次のとおりです。

  • Band 1(2.1GHz帯):ソフトバンクのメインとなるバンド。ドコモやauも使っている
  • Band 3(1.7GHz帯帯):Emobile買収時に、追加されたバンド。高速通信が可能
  • Band 8 (900 MHz):プラチナバンドの一つ。キャリアの中でソフトバンクのみが使用
  • Band 11(1.5GHz帯):実験用の回線という側面も強く、ユーザーにとって優先度は低い
  • Band 28(700MHz帯):プラチナバンドの一つ。対応地域が狭いので気にしなくてもよい
  • Band 42(3.5GHz帯):高速通信用のバンド。PREMIUM 4Gなどと比較すると速くはない

こうやって比較してみると、各キャリアで使っている周波数帯が被っている場合も多いですが、独自のバンドを持っているのも分かります。ソフトバンクの場合は、Band 8がそれに該当します。

メインバンドである

  • Band1
  • Band3
  • Band8

などに対応したスマホを準備する必要がありそうです。

楽天モバイルが使っているバンド

キャリアとして、2020年4月8日からサービスをスタートさせたばかりの楽天モバイル。楽天モバイルの4Gバンドは、つぎのとおりです。

  • Band 3(1.7GHz帯帯):高速通信用のバンド。楽天モバイルが自社回線で使っている唯一のバンド
  • Band 18(800MHz帯 ):プラチナバンドの一つで、auのメインバンドの一つ。楽天モバイルがローミング回線として間借りしている

実質現在楽天モバイルが使えるのは、Band 3のみです。当然エリアカバー率もまだまだなので、現状ではプラチナバンドであるBand 18をauから間借りしている状況になっています。

今後エリアカバー率が広がり総務省から許可が取れれば、対応バンドを徐々に拡大させていくかもしれません。

・Band3

に対応したスマホであれば、今後もバンド面では対応できそうです。

ただし楽天モバイルの場合、今の時点では使える端末が名指しされて制限されているのがネックです。非対応端末の場合バンドが対応していても通話ができなかったりと弊害が出る可能性があるので、公式で発表されている対応端末を購入して利用するのがベターでしょう。

スマホを選ぶ際、バンドにおいて注意すべき点

スマホを選ぶ際、バンドにおいて注意すべき点は以下のとおりです。

  • SIMロックを解除してスマホを使うときは、契約会社のバンドが使えるか確認する
  • SIMフリースマホを購入するときも、バンドを確認してみる
  • 技適マークがないスマホは極力使わない

SIMロックを解除してスマホを使うときは、契約会社のバンドが使えるか確認する

スマホの対応バンドは、ソフトウェアで変更できるものではありません。製造時にすでに固定されているものであり、ユーザーとしてはあらかじめ自分の使いたい端末がどのバンドに対応しているかを確認しておく必要があります。

SIMロックが解除されたスマホを使う際も、注意が必要です。たとえばソフトバンクで発売されていた端末をauで使う際は、プラチナバンドのBand8が使えません。このため場合によっては、山間部などでつながらないなどのトラブルが発生する可能性があります。

「高速バンドも、プラチナバンドも利用できるSIMロック解除スマホ」を用意できるのが理想です。

ちなみに格安SIM会社に契約する際は、どのキャリアの電波を使えるか確認しておきましょう。そして格安SIM会社に回線を貸しているキャリアの対応バンドを調べ、自分の使う予定のスマホと併せれば大丈夫です。

SIMフリースマホを購入するときも、バンドを確認してみる

SIMフリースマホを購入するときも、バンドには気を付けておきましょう。「SIMフリーだからどんな携帯電話会社でも利用できる」と思っていると、バンドが非対応になっていて痛い目に遭うかもしれません。

たとえばBand18やBand26に対応していないSIMフリースマホをauで使おうとすると、プラチナバンドの電波をつかめない可能性があります。SIMロック解除スマホと同じように、どのバンドに対応しているかあらかじめ確認しておくと安心です。

技適マークがないスマホは極力使わない

日本で発売されているスマホには、必ず「技適マーク」が付いています。

技適マークは総務省が発行しており、日本で守るべき無線技術の基準をクリアしていることを表しています。たとえば電波の出力が異様に高いと、他の電波を妨害してしまったりと大きなトラブルにつながるので、このような基準が定められているのです。

技適マークの付いていない製品で通信を行った場合、罰せられる危険があります。現在では法律改正により条件付きで利用が認められる場合もありますが、極力利用は避けましょう。

日本メーカーが発売しているスマホは技適マークが付いているのが当たり前なので、あまり気にする必要はないかもしれません。しかし気を付けたいのは、海外製のスマホを購入するときです。

海外製のスマホは日本で発売するのを前提としていないモデルも多く、当然そのようなモデルには技適マークが付いていません。そして技適マークの付いていないモデルは、Webサイトなどで簡単に購入できてしまいます。

このため海外の中古スマホショップでスマホを購入するなどの行動は、避けたほうが安心できるかもしれません。

また中には技適マーク取得のコストを避けるため、意図的にスマホに技適マークを付けない業者も存在するようです。他にも日本の法律に疎い企業がスマホを発売したときも、技適マークが付いていない可能性があります。

気になる方は、技適マークを直接確認してみましょう。スマホの設定画面から端末情報を確認すると、「〒の上に電波が飛んでいるようなマーク」が表示されているはずです。それが、技適マークです。

まとめ

今回はバンドとは何か、そしてその種類やスマホを選ぶ際バンドで注意すべきことなどを解説してきました。

スマホのスペックや携帯電話会社の評判などは調べていても、意外とバンド調査についてはおろそかになっている方は多いのではないでしょうか。SIMロック解除スマホをロックしていた会社以外で使うときや、SIMフリースマホを使う際は、スマホの対応バンドと携帯電話会社のバンドを一致させておく必要があります。

ぜひバンドについても興味を持って、確実にスマホを選べるようになっておいてください。

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